5～9歳の子供の矯正法プレオルソ+MFT｜相武台ゆうデンタルクリニック

子どもの歯並びは、遺伝的な要素以外でも悪くなることがあります。例えば、口呼吸や指しゃぶり、舌を前に突き出す癖などは、お口周りの筋肉を弛緩させることに加えて、前歯の歯並びを物理的に悪くすることがわかっています。そうした歯並び・噛み合わせを悪くする口腔習癖は、プレオルソというマウスピース型の矯正装置で効率良く改善できます。

プレオルソとは

プレオルソとは、既成のマウスピースを装着して、お口周りの筋肉を鍛える矯正法です。口腔周囲筋が鍛えられると、歯列に対して適切な圧力がかかるようになり、歯並びが悪くなるのを防げます。同時に、プレオルソを装着することで口呼吸や指しゃぶり、舌を前に突き出す癖も自然と改善されていくことでしょう。その結果、顎の骨の発育も促されて、28本の永久歯をきれいに並べるためのしっかりとした土台が完成します。

そんなプレオルソは、顎の骨の発育が活発な小学校低学年までに適用されるのが一般的です。5～9歳くらいの限られた時期にしか適切な効果が得られないため、プレオルソによる矯正治療を始めるタイミングは慎重に見極める必要があります。

プレオルソで治せる歯並び

プレオルソには、3つのタイプがあります。以下の通り、それぞれのタイプで治せる歯並びの種類が異なります。

【タイプ1】

装置が透明なので目立たない
取り外し可能で歯みがきがしやすく衛生的
治療期間の短縮が期待できる

【タイプ2】

開咬（上下の前歯の間にすき間がある歯並び）
開咬の保定

【タイプ3】

反対咬合（受け口）
反対咬合の保定

プレオルソの
メリット・デメリット

プレオルソによる小児矯正には、次に挙げるメリットとデメリットを伴います。

メリット

マウスピースの装着時間が短い: プレオルソは、日中の1時間と就寝時に装着するだけで適切な矯正の効果が得られます。矯正装置を外で装着する必要がないため、お子さんの心身にかかる負担を最小限に抑えられます。
自由に取り外せる: プレオルソによる矯正治療では、着脱式の装置を使います。食事や歯磨きの時には装置を取り外せるため、日常生活に支障をきたす場面も少ないです。
痛みが少ない: プレオルソは柔軟性のあるシリコーン素材で作られているので、装着時の違和感や異物感、痛みなどが生じにくいです。また、歯を動かす装置でもないため、歯列矯正のような強い痛みが生じることもありません。
治療にかかる費用が安い: 矯正治療というと、数十万円から百万円程度の費用がかかるイメージがありますが、プレオルソの全国的な費用相場は10万円程度です。相武台ゆうデンタルクリニックでは、プレオルソによる治療を77,000円（税込）で実施しております。

デメリット

適用できない症例もある: 上でも述べたように、プレオルソは出っ歯や受け口、乱ぐい歯、開咬など、さまざまな歯並びを治すことができますが、適用できない症例もあります。
マウスピースの装着は自己管理: プレオルソのマウスピースは、お子さん自身が装着しなければなりません。装着時間を守れなかったり、不適切な方法で装着したりしていると、十分な矯正効果が得られなくなる点に注意が必要です。
歯並びの調整はできない: プレオルソは、機能的顎矯正装置（きのうてきがくきょうせいそうち）に分類される治療で、口腔周囲筋を鍛えたり、顎の発育を促したりするのが主な目的です。歯の傾きや位置の異常などを細かく調整することはできませんので、その点は誤解しないようにしましょう。

MFT＋プレオルソで歯並びを根本から解決

相武台ゆうデンタルクリニックでは、プレオルソにMFT（口腔筋機能療法）を組み合わせた治療で、歯並びの問題を根本から解決することに努めています。

MFTとは？

MFT（Oral Myofunctional Therapy）とは、歯並びを悪くする口腔習癖を改善するためのトレーニングです。具体的には、口唇を伸ばしたり、舌を持ち上げたりするトレーニングを行うことで、お口周りの筋肉を鍛えます。その結果、舌が正常な位置に固定されるとともに、歯列に適切な圧力がかかるようになるため、歯並び・噛み合わせが悪くなるのを防止できるのです。MFTは特別な器具を必要とせず、好きな場所で気軽に行えることから、プレオルソと一緒に継続するのも難しくはありません。

プレオルソ治療の流れ

STEP

カウンセリング

はじめに、お子さんの歯並びや噛み合わせ、顎の発育に関するお悩みをお聞かせください。ケースによっては、プレオルソ以外の装置をご案内することもあります。
STEP

精密検査

口腔内写真撮影やレントゲン撮影、歯型取りなどを行って、お子さんのお口の中の状態を正確に把握します。
STEP

治療計画の立案

精密検査の結果をもとに、治療計画を立案します。プレオルソの治療内容や費用、治療期間などについても詳しくご説明します。
STEP

治療のスタート

プレオルソによる矯正治療のスタートです。プレオルソは、日中1時間と就寝時に装着していただくことが基本となりますが、余裕があれば装着時間を増やしましょう。装着時間が長くなるほど、プレオルソによる治療効果も高くなります。MFTも併せて行っていきます。
STEP

保定処置

プレオルソによる治療が完了したら、保定処置へと移行します。保定処置を適切に行うことで、後戻りを防止できます。

よくある質問

プレオルソの適用年齢について教えてください: プレオルソは、小学校高学年まで適用可能です。具体的には、3～12歳くらいのお子さんに適用されます。それ以降は、プレオルソによる効果を十分に得られなくなるため注意が必要です。
プレオルソの装着時間は1日何時間ですか？: プレオルソは、日中の1時間と就寝時に装着する必要があります。一般的なマウスピース型矯正装置よりも1日の装着時間が短いのが特徴です。幼稚園や小学校に出かけている時は装着する必要がありません。
子どもがマウスピースを付け続けられるか不安です: 多くの方が心配される点ですが、いざ治療が始まるとマウスピースをしっかりと付けられるお子さんが大半を占めます。はじめのうちはマウスピースの違和感や異物感が不快で、装着すること自体、拒んでしまうお子さんもいらっしゃいますが、徐々に慣れていきますのでご安心ください。それでもマウスピースを付け続けることが困難な場合は、主治医に相談しましょう。
プレオルソか床矯正で迷っています: プレオルソと床矯正は、治療目的が異なる装置なので、お子さんのお口の状態に合ったものを選ぶ必要があります。プレオルソは、お口周りの筋肉を鍛えることで顎の成長が促進され、口呼吸を始めとした口腔習癖の改善に役立ちます。一方、床矯正は顎の骨の幅や長さを物理的に広げることができます。どちらが適しているかは精密検査を行ってみなければわかりません。
プレオルソかインビザライン・ファーストで迷っています: プレオルソとインビザライン・ファーストは、治療目的も適用する時期も異なります。プレオルソは上述した通りで、インビザライン・ファーストは、歯並びの乱れを細かく整える歯列矯正に分類されます。そのためインビザライン・ファーストは永久歯と乳歯が混在する混合歯列期（6～12歳頃）に適用されます。お子さんによっては、プレオルソとインビザライン・ファーストの両方が必要となることもあるのです。